|
「山椒の会」公演記録 〜 あの幻の名場面が、再び 〜 |
平成19(2007)年10月9日
文責 田口 善敏
|
曽我廼家喜劇「山椒の会」第六回公演 |
![]() |
【日時】 平成19年10月5日(金) 【於】 ワッハ上方演芸ホール 【演目】 「魔がさす間」 二場 |
![]()
|
一堺漁人・作「久公と熊公」より、米田亘・脚色、浅香哲哉・演出 「魔がさす間」三場 |
舞台 第一場 丹波にある料理屋第二場 お富とお兼の部屋
幕 外 街道
第三場 丹波篠山の駅近くの橋側
配役
女将 お蝶 :長瀬 有紀子
酌婦 お富 :出口 ルナ
酌婦 お鹿 :武原 梢
亭主 嘉助 :仲 圭介
同 おいの :牛島 万智子
酌婦 お兼 :泉 しずか
工夫頭 宝蔵 :南条 好輝
悪魔 芽兵助 :曽我廼家 寛太郎
工夫 四郎吉 :関口 義郎
刑事 八代 :田畑 猛雄
同 五助 :藤田 功次郎
犯人 半助 :曽我廼家 寛太郎
同 六造 :桂 宗助
【ひとこと】思いがけない大金を拾い、山分けにした仲のよい酌婦のお富とお兼のふたりは、相手さえいなければ大金を一人占め出来る、と悪魔の囁きにそそのかされ、犯行におよぼうとします。まさに「魔がさす」とは、このことです。そそのかされたとは言え、大金を一人占めする誘惑に心動かされることは、否定出来ません。しかし、もともと仲のいい酌婦同志、実行に移すことが出来ません。ついに、この稼業から足を洗い、大金を持って篠山を去ろうと決心したふたりは、大金を拾った駅の近くにある橋の袂までやってきます。ここでふたりの酌婦は、一人占めするために相手を殺めようとしたことを恥じ、山分けした大金を元の草むらに捨てます。折から、犯人を追いかけていた刑事が犯人を取り押さえ、意外な事実を知らされます。乗ろうとした汽車の音が一段と高まり、去って行きます。明日もまた、仲のいい酌婦の嬌声が、篠山の街に戻って来るでしょう。
【幕間に煙草】今回、元劇場中継制作スタッフの鍛治さん、智さん御夫婦と一緒に観劇しました。「壷坂」の舞台で、老け役から娘に早変わりをする「早苗の娘」役の武原梢さんは、そのメーク技術の指導を金森恵美子さんに受けました。金森さんは読売テレビのメーク業務を永年にわたって勤められた方で、松竹新喜劇のメーク業務も一手に引き受けられていました。永年の功績を認められ、松竹新喜劇から表彰される程のメーキャップ・アーチストです。曽我廼家寛太郎さん等も、未だにそのことを忘れずにいるそうです。ここからは、今回元ディレクターの鍛冶國義さんに聞いたことですが、武原梢さんは、「2時のワイドショー」の司会をされていた故・武原英子さんの娘さんだそうです。これには吃驚しましたね。もっと吃驚したのは、メーク指導をした金森さんでしょう。金森さんにしてみれば、故・武原英子さんとその娘さんである梢さんの親子二代をメークすることになった訳ですから・・・。不思議な御縁と言えるでしょう。出演者プロフィールによれば、クドカンの映画「舞妓haaaan」にも舞妓役で出演されたようで、これは将来楽しみな女優さんですね。
お詫びと訂正(2007/11/06)
武原梢さんを「2時のワイドショー」の司会をされていた故・武原英子さんの娘さんと御紹介しましたが、後日「山椒の会」主催者である米田亘さんから「武原英子さんの娘さんではなく、姪御さんにあたります」と、訂正を求められました。武原梢さん御本人並びに関係者の皆様にお詫びすると共に、訂正します。
また、曽我廼家寛太郎さんが扮した「河野」は「太助」ではなく、「多助」との御指摘をいただきました。脚本と演出を担当された門前光三さん並びに関係者の皆様にお詫びすると共に、訂正します。
|
一堺漁人・原案、門前光三・脚本/演出 「壷坂」八場 |
舞台
プロローグ
第一場 大阪近郊の紡績工場の塀外
第二場 地蔵堂の前
第三場 多助、早苗夫婦の家
第四場 元の地蔵堂の前
第五場 三十年後の地蔵堂の前
第六場 元の早苗の家
第七場 元の地蔵堂の前
第八場 元の紡績工場の塀外
エピローグ
配役
|
早苗の娘 真理子 :武原 梢 |
近所の主婦 豊子 :出口 ルナ |
|
土地の人 花子 :泉 しずか |
その亭主 雄吉 :桂 宗介 |
|
同 やす江 :牛島 万智子 |
家主 孫兵衛 :田畑 猛雄 |
|
同 敬子 :長瀬 有紀子 |
近所の人 新介 :仲 圭介 |
|
河野 多助 :曽我廼家 寛太郎 |
二宮の息子 稔 :藤田 功次郎 |
|
多助の妻 早苗 :川奈美 弥生 |
真理子の恋人 和彦 :関口 義郎 |
|
若社長 二宮幸次郎 :南条 好輝 |
【ひとこと】浪曲「壷坂霊験記」は、浪花亭綾太郎の「妻は夫をいたわりつ 夫は妻に慕いつつ ころは六月中のころ 夏とはいえど片田舎 木立も森もいと涼し」という名調子でお馴染みの「お里、沢市」の物語である。門前光三さんの「解説」によれば、「壷坂」は曽我廼家劇の旗揚げ公演時の演目であったそうだ。但し、当時の台本は残されておらず、今回の曽我廼家喜劇「壷坂」は、門前光三さんのオリジナル書き下ろし作品である。年老いた早苗の娘・真理子がその昔母親が勤めていた紡績工場を訪れることから、この物語はスタートする。G2演出の芝居「東京タワー オカンとボクと、ときどきオトン」のボク役の萩原聖人ように、早苗の娘・真理子が舞台進行役で登場し、早変わりも見せてくれる。開眼した今、盲目の頃住んでいた30年前の我が家を訪れ、徐々に記憶が戻って来る難しい演技をした河野多助役の曽我廼家寛太郎さんは、上手い役者だと思いますね。記憶を取り戻す度に繰り返し挿入された効果音も、寛太郎さんの演技と相まって、素晴らしい舞台にしていました。
曽我迺家喜劇「山椒の会」公式ホームページ http://www15.ocn.ne.jp/~sanshou/
![]()