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「山椒の会」公演記録 〜 あの幻の名場面が、再び 〜 |
平成16(2004)年9月20日
文責 田口 善敏
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曽我廼家喜劇「山椒の会」第三回公演 |
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【日時】 平成16年9月11日(土) 夜の部 午後6時開演 平成16年9月12日(日) 昼の部 午後1時開演 夜の部 午後4時半開演
【於】 ワッハ上方演芸ホール
【演目】 「京人形」 一堺漁人・作、板東竹三郎・監修 木下三郎・潤色演出 「地蔵盆」小橋梅夜・作、茂林寺文福・脚色 米田亘・補綴演出 |
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一堺漁人・作、板東竹三郎・監修、木下三郎・潤色演出「京人形」一幕 |
配役
左 甚五郎 :板東 竹志朗
小車太夫 :鴫原 桂
弟子 長吉 :戸田 都庚
幇間 :板東 竹朗
家主 杢兵衛 :関口 義郎
お石の父 藤兵衛 :曽我廼家 寛太郎
花園家 お銀 :泉 しずか
甚五郎の女房 お石 :板東 竹雪
同 仲居 :小林 真梨子
【ひとこと】職人が花魁に一目惚れするという話は、講談、落語、浪花節等でお馴染みのネタであり、松竹新喜劇でも紺屋の職人が高尾太夫に惚れる「紺屋高尾」は、高尾太夫・酒井光子さんで観たことがある。しかし、今回の歌舞伎舞踊劇「京人形」は初めて観た。一場の「甚五郎と小車太夫の人形」とのやりとりは、これは喜劇なのだから、もう少しでれーっとヤニ下がった甚五郎像を出して、笑いをとってもよかったのではないだろうか。ついつい藤山寛美さんならどうするのだろうか、と思ってしまいます。歌舞伎の演目にもあるとなれば、その本職が演じるには、あんまり崩してしまうことが出来なかった、ということかな。でも、挑戦して欲しいなぁ。これは歌舞伎ではなく、一堺漁人・作の曽我廼家喜劇なんですから・・・。寛太郎さんが登場してから、やっと喜劇らしくなりましたね。寛太郎さんはやっぱり上手い。今年の「師走特別公演」では「曽我廼家寛太郎一座」の座長として大阪新歌舞伎座の舞台に立ちます。「遊女が客に惚れたといい 客は来もせでまた来るという 嘘と嘘との色里で 恥もかまわず身分まで よう打ち明けてくんなました」という篠田実の浪曲「紺屋高尾」に比べると、その情念にはちょっと程遠い咸がありました。名もない貧しい職人とあの有名な左甚五郎が、同じように一流の花魁に一目惚れするのでは、それは紺屋の職人に肩入れしたくなります。ヤキモチ焼きの甚五郎の女房とその父親が、小車太夫本人を焼き捨てた小車太夫の人形と間違えるところは、やっぱり喜劇ですね。しかし、もう少し遊べる演出があるのでは・・・。
【幕間に煙草】今回、元劇場中継スタッフのプロデューサー&ディレクター・鍛冶國義さん、元メークの金森恵美子さん、元テクニカル・ディレクターの伊藤敏彦さんたちと一緒に観劇した。あいにく元ディレクターの池田智さん(現・よみうりテレビ映像社長)は同期会での鹿児島行きで不在ですが、こうして昔のスタッフと喜劇を観るのも、なかなかいいもんです。松竹新喜劇の舞台中継とプロ野球中継が私の青春でした。20分の幕間にチケットの半券を持って喫煙所に走り、立続けに吸う。と、昨日実姉と観劇していたはずの愚妻が登場。実姉の体調が悪く、今日ひとりで観に来たらしい。ロビーに戻り、愚妻は金森さんと昔話。
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小橋梅夜・作、茂林寺文福・脚色、米田亘・補綴演出「地蔵盆」三場 |
配役
町内会の役員 のぶ子:泉 しずか
近所の学生 :板東 竹雪
同 寛子 :鴫原 桂
同 川瀬 :板東 竹朗
のぶ子の娘 リカ子 :小林 真梨子
弥七の妻 登和子 :川奈美 弥生
平野 弥七 :板東 竹三郎
会社社長 須藤まもる:関口 義郎
弥七の旧友 呉田新平:曽我廼家 寛太郎
その妻 由里恵 :出口 ルナ
警官 太田 :戸田 都康
不動産会社の人 宮下:板東 竹志郎
【ひとこと】この芝居は「初午の日に」というタイトルで、昭和56年2月の中座公演を収録している。懐かしい役者さんばかりですから、主なところを紹介することにしょう。
平野 弥七 :伴 心平
浜田 政吉 :小島 慶四郎
弥七の妻 初江 :大津 十詩子
その妻 邦子 :四条 栄美
弥七の旧友 井上 喜作:藤山 寛美
不動産仲介業 中山 :曽我廼家 五九郎
パトロール警官 川口 :曽我廼家 文童
劇中(劇場中継)のスタッフであるが、すでに定年卒業された懐かしいスタッフもいらっしゃるので、紹介しておこう。
プロデューサー :山田 直也(故人)
1カメラ :野村 武史(技術局制作技術部長)
ディレクター :香西 謙二(当時、ビデオワーク)
2カメラ :西井 信夫(よみうりテレビサービス出向)
フロァ・ディレクター :鍛冶 国義(退社)
3カメラ :橋本 喜隆(技術局制作技術業務部長)
アナウンサー :小松 昿代(当時、フリー)
ミキサー :中村 吉宏(サウンド・エフェクト出向、代表取締役社長)
メイク :金森 恵美子(退社)
ミキサー :丸尾 俊文(退社)
照明 :楠山 恵司(退社)
ビデオ・エンジニァ:黒田 昌男(退社)
テクニカル・ディレクター:伊藤 敏彦(退社)
ビデオ・エンジニァ:宮内 良一(長崎国際テレビ出向、技術局長)
スィッチャー :田口 善敏(エイデック出向)
公演前に演出家の米田亘さんにお会いし、その名も「山椒」という小料理屋で酒を飲んだが、「地蔵盆」は以前「初午の日に」というタイトルで公演したことがある、と聞いた。どんな芝居であったのかは、きれいに忘れていたが、藤山さんと伴さんが歌う「下津井節」の件(くだり)だけははっきりと憶えていた。何度も公演された芝居なら、だいたい憶えているが、1回観ただけだと、無理ですね。早速自宅の「松竹新喜劇台本」本箱を探したが、いつ頃公演したものか、解らないと探しにくい。まぁいいか、とそのままにしていた。公演日にプロデューサーの鍛治さんにも聞いたが、「ウチでは収録してへんやろ」とのつれない返事。芝居を観た後、「一口メモ」に昭和56年に公演した、とあり「松竹新喜劇台本」本箱を探したところ、ありました、ありました、「初午の日に」の台本が・・・。やっぱり収録してたんや。人間という奴は、罪深い動物ですね。大金に目が眩み、「貧すりゃ鈍する」の教えあり。悪いことは出来ないものですね。下手をすれば弥七の旧友・呉田新平も弥七も盗人ですが、最後まで悪人であることを貫けない喜劇の演出が素晴らしいですね。私が永年観て来た松竹新喜劇は、いつもこのような「人間として生きる道」を笑いと涙をまぶしながら教えてくれました。
曽我迺家喜劇「山椒の会」公式ホームページ http://www15.ocn.ne.jp/~sanshou/
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