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曽我廼家喜劇

「山椒の会」公演記録

〜 あの幻の名場面が、再び 〜

 

平成15(2003)年8月10日

文責 田口 善敏

曽我廼家喜劇「山椒の会」第二回公演            

【日時】

     平成15年8月9日(土)

          夜の部 午後6時開演

     平成15年8月10日(日)

          昼の部 午後1時開演

          夜の部 午後4時半開演

 

【於】

     ワッハ上方演芸ホール

 

【演目】

     「水」 一堺漁人・作、木下三郎・演出

     「へちまの花」 一堺漁人・作、米田亘・演出

一堺漁人・作、木下三郎・潤色・演出「水」一幕

場所 十津川付近の豪農の倉庫内

時 大正中期

配役

豪農 小島利兵エ  :曽我廼家 寛太郎

村長 山辺弘道   :曽我廼家 八十吉

利兵エの妻 お直  :川奈美 弥生

山辺の娘 お島   :長瀬 有紀子

同 息子 政敏   :都築 謙次郎

土木請負師 村田憲次:江口 直彌

同 下男 作十   :桂 宗助

医師 尾崎     :泉 しずか

同 下女 お為   :小林 真梨子

僧 了念      :関口 義郎

同 親族の娘 お露 :出口 ルナ

青年団長 上野   :板東 竹雪

ひとこと

昭和5年12月に発刊された「曽我廼家五郎全集」第6巻(アルス刊)にある原作に添った演出。このような新劇風の曽我廼家喜劇を観ると、私の「松竹新喜劇」カメラマン・デビュー作「夢を信じた青年」を思い出す。今から32年前、昭和46年のことだ。極悪非道の人間も仏に仕える高僧も、迫り来る死を迎えた時には、反省もし懺悔もするだろう。

水没する蔵に逃れて来た登場人物に、現在にも通用する職業人を加えて、たとえば「役人」「弁護士」「商人」「会社員」「農民」。今日の社会状況を反映した懺悔と反省をさせると、一段と面白い喜劇になるのではないだろうか。原作の登場人物では「医者」だ。こいつにも懺悔と反省をさせたらいい。色恋は人間の基本的な欲望だが、ネタとして多くてはいけない。僧侶の浮気懺悔は秀逸。

時代を現代にするならば、「喫煙者」「JT社員」「葉タバコ農家」「教師」「銀行頭取」「サラ金業者」「大学教授」「会社経営者」「労働組合幹部」「道路公団職員」「マイクロソフト社員」「国会議員」「議員公設秘書」「林真須美」「長崎の12歳少年」「金正日」「ビンラディン」「フセイン」「ブッシュ」はどうだ。

幕間に煙草

今回、元劇場中継スタッフのディレクター・鍛冶國義さんが待ち合わせていた1階書店に現れなかった。どうしたのか、鍛治さん。元メークの金森恵美子さん、昨年は骨折の為入院を余儀なくされた元劇場中継ディレクター・池田智さん、元テクニカル・ディレクターの伊藤敏彦さんらと観劇した。

最近は建物内の禁煙化が急速に進んでいる。昨年は演芸ホール内のロビーで喫煙出来たのだが、今回はチケットの半券を持って一旦エレベーターホールまで出て吸わなければならない。開演ベルも聞こえない場所だし、開演を気にしながら慌ただしく吸う。幕間に煙草と洒落てられへんがな。仕方がないことだが、愛煙家にはちょっと辛い問題ですね。

 

一堺漁人・作、平戸敬二・脚色、米田亘・脚色演出「へちまの花」二場

第一場 猟師宗兵エの家

第二場 近藤家の別邸

配役

村の娘 およし    :小林 真梨子

丸美堂の令嬢 弓子  :長瀬 有紀子

同 後家 おさく   :平松 実季

近藤家女中 お仲   :出口 ルナ

近藤商店若旦那 幸次郎:曽我廼家 八十吉

泰三の奉行人 勇吉  :曽我廼家 寛太郎

猟師 宗兵エ     :板東 竹三郎(特別出演)

勇吉の女房 おのぶ  :泉 しずか

近藤商店番頭 重松  :都築 謙次郎

泰三の奉行人 栄介  :関口 義郎

幸次郎の叔父 泰三  :江口 直彌

同 亀造       :桂 宗助

宗兵エの娘 おかよ  :板東 竹雪

ひとこと

やっぱり喜劇はいいねえ。久し振りに目頭が熱くなり、眼鏡を外して何度も何度も目を擦りながら、「あばたとえくぼ」の曽我廼家鶴蝶さんの舞台を思い出した。配付されたパンフレットの「一口メモ」によれば、昭和50年「曽我廼家まつり」と銘うった松竹新喜劇の公演で、この狂言が「まげ物」で脚色されているが、この時“宗兵エの娘おかよ”を鶴蝶さん、“近藤商店若旦那の幸次郎”を小島秀哉さん、“幸次郎の叔父の泰三”を伴心平さん、おかよの兄(今回は父親)を藤山寛美御大が演じている。

昭和5年8月に発刊された「曽我廼家五郎全集」第2巻(アルス刊)にある原作では、“近藤商店若旦那の幸次郎”は“画家の香川松雲”となっており、展覧会に出品する「醜婦」のモデルとして“宗兵エの娘おかよ”が選ばれ、「美人」のモデルが“丸美堂の令嬢・弓子(婚約者)”となっている。

昭和50年「曽我廼家まつり」と銘うった松竹新喜劇の公演時に、座付き作者の平戸敬二さんが時代背景を考慮しながら脚色し、今回主催者の米田亘さんが米田流に脚色・演出したものである。

第二場で猟師の宗兵エと宗兵エの娘のおかよが近藤商店の別邸を訪ねて来る場面では、花道のないワッハ上方のホール状況を逆手にとって、下手客席の後ろの扉から登場させ、役者と客席との距離感をなくす演出はいい。

 
曽我廼家喜劇「山椒の会」第2回公演が「平成15年大阪舞台芸術奨励賞」受賞。

大阪府では、年間を通じ、大阪府内で行われた舞台芸術公演の中から、優れた成果をあげ、府民文化の普及向上に貢献されたものに、「大阪舞台芸術賞」「大阪舞台芸術奨励賞」「大阪舞台芸術新人賞」を贈呈し、舞台芸術活動の奨励を図っている。

平成16年3月26日、大阪府知事公館において、『曽我廼家喜劇「山椒の会」は『平成15年8月、ワッハ上方での「曽我廼家喜劇・山椒の会第2回公演」において、上方喜劇の面白さを再認識させた「水」「へちまの花」を上演し、優れた舞台成果をあげた』として「大阪舞台芸術奨励賞」を贈呈された。

曽我迺家喜劇「山椒の会」公式ホームページ   http://www15.ocn.ne.jp/~sanshou/

私のおもちゃ箱 目次  

曽我廼家喜劇「山椒の会」旗揚げ公演記録  

曽我廼家喜劇「山椒の会」第3回公演記録


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